東北工業大学経済交流会 東北工業大学

工大塾


演 題  「工大塾」

講 師  東北工業大学 工学博士 榎本 幹 先生

平成12年 8月24日(木)

於:ブラザー軒


新入生100人に聞きました
 工大生としてのキャンパス生活が早くも4か月を過ぎようとしています。ざまざまな思いで送った日々の中で、いま1年生は何を考え、どんな生活をしているのでしょうか。

 そこで3つのテーマを設定して、新入生100人に聞きました。これからも地に足をつけ、若さを発揮して明るく元気に頑張ってほしいものです。

*大学の授業にどんな印象を持ちましたか

根本 政明 (宮 城) 授業が意外と難しいので、一回でも休むと大変だと思った。
青木  瞳 (宮 城) 初めの頃は90分授業を長く感じていたが、だんだんと慣れてきれた。
山田 将太 (新 潟) まだ専門科目の内容が高校の授業の繰り返しでやりがいがない。
熊谷 拓哉 (宮 城) 高校の授業より深くなって大変。先生によって字のきれいさが違うのでさらに大変。
杉内 智美 (福 島) 授業のスピードに未だについて行くのがやっとです。けっこう速くて辛いです。
宍戸 孝志 (宮 城) 工業高校出身なので、共通科目についてよく分からないところがあります。特に英語。
因幡 春雄 (岩 手) 授業の教え方がいまいちかなあと最近思っています。
伊藤 太一 (岩 手) 周りがうるさすぎて、さっばり聞こえない授業もある。何でうるさいまま授業するのか疑問。
相原  温 (宮 城) とても楽しい。
伊藤 晶美 (宮 城) 高校で勉強してきたことを前提に話を進められるので、復習をしないと大変だと思った。
鹿又 香里 (宮 城) 高校の頃とぜんぜん違い、とても大変。でも授業内容が様々で楽しい。
細矢  文 (宮 城) 専門的なことが多く新しいことが学べて楽しいけど、内容が理解できず苦痛になっている。
阿部 喜博 (宮 城) 普通高校の出身なので、専門科目こついてはとても苦労しています。
米田 晃子 (青 森) 普通高校からこの大学に進学したので、専門科日がよ〈わからなくて辛いです。
針生 英治 (宮 城) デッサンや造形論は大変だけどおもしろい。やりがいがある。
高橋 伸弥 (宮 城) 説明の分かりやすい授業と分かりにくい授業がはっきり分かれ、少々大変な面もある。
伊藤 光一 (秋 田) 出欠をとらない教科もあるので、自ら進んで学ぼうという意識がないと単位はとれない。
伊藤真起子 (宮 城) 90分授業はとても長く、専門教科が難しい。高校までとは違うのだなと実感した。
遠藤 亮仁 (宮 城) 自分からやる気を出さないとついて行けないので、自主性が大事だと感じています。
大友えり子 (宮 城) 講義の時間が多いので、1年生からもっと演習や実習の様な実践的な授業をやってほしい。
井村 雅則 (宮 城) どの授業も難しい。
村岡  徹 (山 形) 工業高校出なので専門はなんとか理解できるが、共通科目は聴いても理解できないことが多い。
石山 尚樹 (宮 城) 先生がすごく個性的な人ばっかりで、先生によって授業の印象がまったく違う。
木村  崇 (宮 城) レポート、宿題が多くてやりがいはあるが、正直言って大変だ。
保志 憲男 (宮 城) あんまり高校の授業と変わらないと感じました。
高森 隼人 (岩 手) だるい、眠い、長い、マニアック、臭い。
鈴木  貴 (宮 城) 授業のペースが速く、説明が難しい。
菊地 寛征 (宮 城) 一方通行のように感じる。自らやる勉強というよりもやらされている勉強になっている。
浜田 隆哉 (岩 手) もう少し事例などをまじえて教えてほしいです。
梅津 真人 (宮 城) 進むのがとても速い。またレポートを書くのが大変でついていけるか心配。
千葉 亮太 (宮 城) 普通高校の卒業なので、特に専門科目に難しさを感じている。
佐藤真樹子 (岩 手) 当然のことですが、内容が専門的で意外と少人数の授業であるのがいいと思う。
村田 朋子 (福 島) 宿題やレポートがとても多いのと、授業内容が専門的で深いので理解するのが大変。
太田 俊義 (宮 城) 高校こ比べ時間も長くなり、内容もレベルの高いことをやっているのでとても大変。
規矩地 大 (青 森) 専門的な授業を受けてみて、今までに受けてきた授業こはない緊張感を感じた。
渡辺  猛 (宮 城) 高校で習うことのできなかった分野の深いところまで学ぶことができる。
石田 澄人 (岩 手) 自主性が大事だと思う。自分でやる気を出さないと無意味だと思う。
佐藤 克彦 (秋 田) 自分で学ほうとする意欲がないと、最終的には何んの意味もないと思った。
菅野 匡人 (宮 城) 90分授業が長く、精神的につらい。慣れるまで時間がかかる。
関村 章紀 (宮 城) 授業の内容は難しいが、自分の興味があることを多く学べるのでとてもいいです。



*生活はどのように変わりましたか

伊藤 瑠美 (宮 城) 数学のテストが毎週あるので勉強するようになった。
野呂 知功 (青 森) 何でも自分でやらなければならなくて大変だけど、自立してきていると思う。
伊藤 達徳 (宮 城) 通学手段が自転車から電車通学になったことです。
椎名 恒雄 (群 馬) 入学当初は一人暮しに少し戸惑いましたが、少しずつ慣れてきたように思います。
遠藤 友美 (宮 城) やることが多くなりゆとりの時間がなくなったが、時間を上手く使えるようになった。
上桝  威 (茨 城) 忙しくなってきたため、洗たくなどができなくなって生活が全体的に不衛生になってきた。
中野 了康 (青 森) 寝坊しても誰も起こしてくれないので大変。料理は楽しいがたまに腐るので困る。
千葉 武志 (岩 手) 規則的な生活から不規則な生活に変わってしまった。
内田 寛人 (青 森) 一人暮しになり、家事に勉強にと少し忙しくなった。
山村 美保 (宮 城) 遅寝早起きの毎日へ。休みの日はほとんど・日課題をする生活になった。
直井 理夏 (栃 木) 一人暮らしにも慣れ、充実した毎日を送れるようになった。時間にも余裕ができた。
安斎 正浩 (福 島) 何でも一人でやらなければならないという自覚が持てるようになった。
田村 裕剛 (岩 手) 半ばまかせっきりだった生活が一人暮らしになって、自分で考えて行動するようになった。
鎌田  学 (岩 手) 起きる時間など、生活のリズムがずいぶんゆっくりになった。
阿部 健吾 (岩 手) 朝食をとらなくなり、寝る時間も遅くなった。大学でのリズムは出来てきた。
香森 東馬 (宮 城) 朝、早起きする必要がなくなったが、夜中まで起きていることが増えた。
吉田  純 (岩 手) 一人暮らしなので、朝や夜の自由な時間やゆっくりできる時間がなくなった。
板倉 文則 (埼 玉) だいぶ地理にも慣れて、生活のリズムがやっと落ち着いてきたと思います。
阿部  茂 (岩 手) 高校の時に比べ、朝にかなり余裕ができるようになった。
清水奈々子 (秋 田) 一人暮らしをして、家族のありがたみが分かったし、一人で起きられるようになった。
松浦信太郎 (宮 城) 生活パターンにまったく変化はない。
三浦  亮 (岩 手) 毎日が楽しくて日が経つのが早く感じるようになりました。
相川 拓也 (宮 城) 講義開始時間が遅いときもあるので、自由に時間を使えるようになりました。
浜田 篤史 (秋 田) 親元を離れて気軽な面もあるが、面倒くさいこともあり大変だ。
大場 伶美 (宮 城) 毎日、課題や復習をしてすごく充実した生活になった。
伊藤 義明 (宮 城) 家での勉強が必要になった。
三上  貢 (山 形) 一人暮らしにも慣れてきて、サークル仲間との交流も深まり、充実した生活こなってきた。
相澤  誠 (宮 城) 高校より少しだけ忙しくなったような感じ。
渡辺 和美 (宮 城) 自立心が問われる場が多くなったため以前より自己責任を意識して生活するようになった。
伊東  孝 (宮 城) 勉強が難しくなったので大変になった。
藤村 聡子 (岩 手) 一人暮らしの生活にも慣れ、普段の生活にもゆとりが持てるようになってきました。
伊藤 太一 (岩 手)

一人暮らしが充実してきた。料理がうま〈出来るようになった。



*大学に何を期待Lますか

石田 澄人 (岩 手) もっとコソピュータについての知識を身につけたいので、その講義を増やしてほしい。
高橋卓久真 (秋 田) どこの大学でもやっていない新しいことを授業に取り入れてほしい。
高野 博行 (埼 玉) いままでやれなかった事や分からない事をやりやすく、分かりやすく教えてほしい。
佐藤 崇 (宮 城) 勉強が快適にできる環境と、先生による勉強のバックアップの充実。
青山 武史 (青 森) 幅広い範囲の選択科目を増やしてほしい。
末永 顕之 (宮 城) 就職に関する情報をもっと廻してほしい。
田代 純子 (千 葉) 特に関東の就職情報を多く適確に取り人れてほしい。
中村 健一 (宮 城) 冷房をつけてほしい。授業をもっと詳しくしてほしい。
菅野 陽一 (宮 城) 学内のパソコンの性能のアップとソフトウェアの充実を期待してます。
大木 仲之 (宮 城) 個人個人が専門的なことを、もう少し、早くから学べる環境をつくってほしい。
庄司 忠史 (山 形) 授業を分かりやすくしてほしい。特に黒板に書く字を読めるようにしてほしい。
大曽根史恵 (茨 城) 就職率、進級率の上界。ニッ沢の下の駐輪場からのエレベータの設置。
増子 靖弥 (山 形) 将来、社会に出た後も役立つような知識や経験を身につけたい。
佐々木雄太郎 (岩手) わかりやすい講義もあるが、わかりにくい講義もあるので、丁寧な講義を期待したい。
斎 桂子 (宮 城) 技術を身につけられるよう、一生懸命頑張りたいので、親身になって指導してほしい。
関谷 陽介 (青 森) 黒板に字を大きく、丁寧に書いてほしい。
鑑 責博 (山 形) 理解しにくい科目について補習などをしてもらいたいと思う。
山田 剛聖 (青 森) 自分の視野を広げることと、感性を磨けるよう指導してほしい。
山田 未央 (宮 城) 卒業後も役立つような知識を得たい。
大友 規寛 (宮 城) 別に期待できることなんてないです。
太田 雄平 (宮 城) 分かりやすい授業と、これからに向けての勉強、研究。
片倉 景之 (宮 城) 自分で作品を作るだけでなく、世界の有名な工業製品を見る機会を与えてほしい。
肴倉 大輔 (宮 城) 学生自らが積極的に勉強したいと思う授業。
木村 俊介 (北海道) 明るい未来。9号館。東北工大の平地への移転。
足立 邦登 (北海道) 将来、御飯を食べていけるための基礎的な技術を教わりたい。
因幡 春雄 (岩 手) 学生の学力に合った講義をやってほしいと思います。
宍戸 淳 (岩 手) 希望している企業に就職したい。
菊地 寛征 (宮 城) 個人のロッカーが必要だと思う。学校にモノを置いておけると通学がとても楽になる。


*3教科をどう学ぶか
英語

基礎の確立と自助努力を     人間科学センター教授 岡部  敏

  英語教育の小学校への導入に始まり、TOEICの成績を昇進の前提にする企業が現れたり、はては英語を第二公用語にする主張まで飛び出すような最近の状況は、その是非はともかく、英語によるコミュニケーション能力の必要が切迫している現実を語るものに他なりません。IT革命に経済の活路を求め、企業の再編成を図ろうとする社会の動きに伴い、発信型の英語力を求める声は今後ますます強まるのは必至の情勢です。 外国語は、始終、接していなければすぐに錆び付き,頭から抜けてしまいます。英語力は大学入学時が最も高く、卒業時が最も低いという現象は珍しくないのです。受験勉強で得た項目化された、一時的な知識を真に身についたものとするには、大学での授業を通して運用力を高め、授業外にも短時間でよいから毎日習慣的に英語に接する積極的な自助努力が必要不可欠です。
  受験英語で最もおろそかになっているのは、音声面からの学習ですから、学習の態勢を意識的に目から耳へとギアチェソジする必要があります。特に、短時間でできるテープを主体にした復習を勧めます。もちろん、聴いたら真似て声に出してみることです。日本の学生が英語を耳にする時間は、中学から大学まで合計しても、英語を母国語とする子供が言語能力の固まる6歳までに英語を聞く時間より圧倒的に少ないのです。放送メディア、ビデオなど、諸君の自助努力を支援してくれるものは身近にいくらでもあります。居ながらにして外国の人達と交信できるイソターネットはとりわけ強力な手段になるでしょう。「大学の目的は個々の学生にとって、その後の人生に大学を必要としないようにすること」だと言われています。4年間で、将来、必要に応じて発展できる土台をしっかり造ってほしいと思います。


数学
数学の全体像をつかむ       通信工学科助教授  小川 淑人

 大学入学前の12年間を振り返ってみましょう。小学校の算数で一番大切なことが数の計算であることには異論がないと思います、では中学校の数学で一番大切なことは何でしょうか。高等学校の数学で一番大切なことは何でしょうか。自分で考えてみて下さい。たとえこのような総括ができていなくても、問題さえ解ければ何も困ることはありませんでした。
 ところが大学の数学となると全体像どころか、定理の一つ一つがちんぷんかんぷんです。どうすれば定理の一つ一つが頭に入るのかということは、これから体得していただくことにして、ここではどうすれば全体像が見えるかということについて述べます。それには講義の初めの方をよく聴くしか方法がありません。講義の初めの方とは15回の講義の最初の1回、90分の講義の最初の15分を指します。第1回の講義では15回の講義全体の要点が述べられます。この大小二つの要点を聞き逃がしてはいけません。
 というと必ず次の反論が出てきます。「全体像が見えるくらいなら苦労はしていません。私達は高校の数学もわからなくて因っているんです。」私の答えは「高校の教科書をよく読みましょう」です。高校の教科書は十分な人手と時間をかけて作られています。従って、内容は勿論のこと日本語がしっかりしています。もっと高校の教科書を大事にしましょう。


理科
さあチャレンジしよう!       理工学実験室二ツ沢ユニット教授  藤平  力

 エンジニアを目指して入学された皆さんは、受験から開放されたほっとした気持ちと、大学という新天地には何が待っているのかと不安な気持ちが入り混じっている事と思います。特に、数学、物理、化学の教科内容は高校により大きく違っているため、大学でのそれらの科目を学ぶとき、多少の不安があるでしょう。これらの教科は,高等教育としての教養を身につけると同時に、工学を学ぶための道具としての専門科目として修得するという重要な意味があります。大学受験をパスする道具としてこれらの教科を学んできた皆さんには、まだ理解しにくいかもしれませんが、講義や実験をやるうちに少しずつわかってくることでしょう。物理や化学は難しいものと決めつけてはいませんか。科学は覚える面より理解する面がより大切になります。数学、物理 化学は暗記するものではなく筋道を理解する学問です。科学は自然現象に潜むさまざまな法則を万人に理解しやすい様に書きあらわしたものです。これらは実験をも通して体得するのが一番です。工学は人類に役立つ科学です。物理、化学の講義や実験は学科によって必修ではありませんが、工学の入り口ですので必ず受講してください。大学も必ずしも高校の教科内容の変化に応じきれてない面があると思いますが、皆さんと共に良くしていきたいと考えます。